まあ簡単に言うと、
なに? 個人事業主?
週6日勤務で平日拘束時間が10時間で
社会保険なし?
それは、納得できない・・・
という感じで、最初の職場を去ることにした私ですが、
ほんの、ちょっとだけ成長して、
次の職場には、よい点と、悪い点があることを承知で移ることを決めました。
良い点
・社会保険については、きちんとしていることを確認した。
・勤務時間は、9時から17時という条件であった。
・店長ではなく、より大きな店舗で、自分が店の開閉をしなくてもよく、退勤時間を尊重してもらえるとのことだった。
・給与は、前職と大差なかった。固定給は少し下がったけれど、ボーナスがもらえることで合計は同等となる契約だった。
悪い点
・職場が、アパートから車で一時間かかる。
子どもたちを18時までに迎えに行かれる点はよい点だったが、
毎日朝と夕方、通勤ラッシュに長時間運転をしなくてはならない点に不安があった。
どうでしょうか。
20代の私の転職判断、みなさんはどうお感じになるでしょうか。
でも、実際に私が経験したことは、予想できる人は少ないのではないかと思います。
いやー、世の中の洗礼を受けた気がしました・・・
まず、その店舗は地域の商業会の会長が営業されている会社の複数店舗のうちの本店でした。
その社長イコール会長は、40代のとても力のある人らしい雰囲気で、店舗にも活気がありました。
物理的に大きな店舗ではないのですが、
従業員数は以前の職場より多く、
主婦のパートの人も、私より年上の人たちが何人もいました。
立地がよいせいで、客がひっきりなしに来ていました。
そして、店長は、私と同年代の女性でした。仮に、ミヤちゃんと呼びます。
採用面接は終始歓迎ムードで実施されました。
面接は、店舗ではなく、会社の本社オフィスで実施されたのですが、
後に店舗の先輩たちに聞いた話では、
そこで会長に面接されるのは、一部の候補者だけで、
何年も働いている人たちの中にも、本社オフィスに行ったことがないという人が何人もいました。
私は今、60代。当時は20代で、もう30年以上も前のことです。
詳細は忘れてしまった部分も多いのですが、面接にはもう一人男性がいました。
いや、、、もう一人いたのか、もう二人だったか、
ハッキリ覚えていないのですが、少なくとも、その、「スネイプくん」はいました。
スネイプくんは、会長と同年代で従業員兼会長の友人でした。
恰幅のよい会長と比較すると、著しく痩せていて、暗い感じで、
印象はよくありませんでした。
当時はまだ、世にハリーポッターは無く、スネイプくんは私が今、つけたあだ名です。
会長はその人にも、私に対する評価を求めており、
採用されたことが嬉しかった私は、最初は、感謝によって悪い印象を打ち消していました。
さて、勤務が始まります。
一番若かったわけではないですが、一番後輩でした。
朝一番にトイレの掃除をすることについては、
本当は当番制なんだけれど、
私は率先して、毎日やりました。
新しく入った職場で、先輩の女性たちから嫌われないテクニックです。
すぐに、先輩たちに受け入れられ、いろんな話を聞かせてもらえるようになりました。
まず、店舗にいる、正社員の40前後の美人。それが、会長の奥さんであるということ。
ミヤちゃんの機嫌は損ねてはいけないということ。
私は採用を知らされたときに、会長とミヤちゃんの入った6人ほどで、歓迎会をしてもらっており、ミヤちゃんとはそれなりに仲の良いスタートを切っていました。
だから、それをそのまま先輩たちに話しました。
すると先輩たちは、「じゃあ、あなたは大丈夫なのかしらね…」という半信半疑の反応でした。
ある時、忙殺状態の昼前の店舗に会長がやってきて、大きな声で
「みんな、今日のお昼は俺がごちそうしてやる」
と言いました。
やったー、と素直に喜ぶ私です。
会長は、私を名指しで「何が食べたい?」と訊きました。
「高いものでもいいぞ」と言われたので、私は、
「鰻重」
と言いました。
その瞬間、空気が明らかに変わりました。
「え?」
とまわりを気にすると、
会長がミヤちゃんに猫なで声で言いました。
「ミヤちゃんには、寿司をとってあげるよ」
ミヤちゃんは、何も言いませんでした。会長に返事もしませんでした。
後で、先輩たちと鰻重を頬張りながら、私は言われました。
「ミヤちゃんは、鰻重は嫌いなんだよ」と。
でも、ミヤちゃんは寿司をとってもらったん だから、問題ないはずだ、と私は思いました。
けれど、それは、許されない行為らしかったようです。
先輩たちは、その後しばらく、私とミヤちゃんの人間関係を心配していました。
正直、私とミヤちゃんの仲が、寿司・鰻重事件で急激に悪くなったということは、なかったと思います。
けれど、最初の歓迎会の時に、同年代として楽しく会話できていた地点から比較すると、順調とも言えなかったかもしれません。
結局、ミヤちゃんは、会長の愛人でした。
そして本人は、それを特に隠してもいませんでした。少なくとも、私には。
本店にしょっちゅう勤務している美人の奥さんはそれを承知していたようです。確証はありませんが、店舗内での会長からミヤちゃんへの特別扱いは、誰からも何も聞いていなくても、「この二人の関係は?」と思わせるものでした。奥さんが何も気づかないことはあり得ないというのが私の感想です。
いろいろと複雑?な状況を知るに連れ、屈託のないミヤちゃんとの会話ができなくなってしまった私がいました。
ミヤちゃんは、どう思っていたんでしょう。
ミヤちゃんとの関係が縮まる時間もないうちに、決定的な事件が起こりました。
スネイプくんです。
入社して、ずっと噂の的はミヤちゃんと会長だったので、
スネイプくんの存在を気にしていませんでしたが、
ラスボスは、スネイプくんでした。
スネイプくんは、別の店舗の店長だったのですが、
時々、本店にも顔を出していました。
店舗は、非常に立地のよい場所にあったせいか、本当に狭かったです。
ろくに休憩場所もなく、ランチは交代で、
2畳程度の通路に丸椅子を出して、壁に向かって食べていました。
3人で食べると、ギューギューでした。
ある時、私が一人でランチのコンビニ弁当を食べていると、会長とスネイプくんが来ました。
会長は、私にあらためてスネイプくんを紹介し、
スネイプくんは、それまでも「自分の店舗に遊びに来ないか」などと誘ってきていたのですが、
その日は、会長が
「あとはお二人で」
的なことを言って、いなくなり、
スネイプくんはこれまでになく、物理的距離を詰めてきました。
私は狭い通路で、壁に背中を押し付け、
スネイプくんに顔面15センチまで詰められたのです。
げげげげげ
走馬灯がよぎりました。
そういえば、最初の面接のときから、変な見られ方してたかも。
そういえば、ミヤちゃんも、なんか変なことを言っていたかも。私も愛人、あなたも愛人的な。
先輩たちは、いろいろと警告を出してくれていた。
スネイプくんは意味不明に私を自分の店舗に誘っていた。
会長は、若い二人を見守る目で、私とスネイプくんの会話を見ていた。
私は、若かった。
スネイプくんは、40代の平均より水気と髪の毛の少ない初老男性でした。
少なくとも、私には「初老」に見えました。
「離婚歴がある者同士、仲良く」じゃないよーーーー!!!
先輩たちは、こうも言っていました。
会長はこの地域ですごく力がある。
いくらおかしなことがたくさんある職場でも、
会長を怒らせると、近隣の職場に就職できなくなる。
だから、自分たちは辞めたくても辞められないんだ、と。
たっぷり脅されていた私でした。
そして翌日私は、
「辞めます」
と電話を入れました。
近隣で働けないなら、遠くで働こう、と考えました。
会長の影響力について、実際のところは試していませんが、近隣で就職しようとしても、変な噂などが届いていることもあるかもしれないな、と思わされていたのは事実です。
会長に説明した、辞める理由は、
「前日の帰宅時に車で事故をおこしまして」
としました。
けれど、結局、嘘はばれていたと思います。
「治るまで休んで」
「いえいえ、もう長距離運転したくないです」
なんて、頑なに、
「二度と行かない」
を貫きました。
正社員の契約で入社した私ですが、
遡ってパートにする、
と後日連絡を受けました。
そういうことってできるんですか?
文句は言いませんでした。
どうせ一か月でしたし、
その前の職場も国民年金と国民健康保険でしたから、同じかと。
ただ、実際は、健康保険証も発行してもらっていましたし、
遡ってパートにするってどういうことだったんでしょうか。
当時は、さっさと縁を切りたいだけで、それ以外は、気にしていませんでした。
これが、私が2か所目の職場を一か月で辞めた経緯です。
その後、私は、最初の職場の社長に挨拶にいきました。
喧嘩別れをしていたわけではないので。
ここに書いたほど細かくは話しませんでしたが、早々に退職したことを伝えました。
社長は、「あそこはいろいろと噂があるから、心配してたんだよ。歴代の店長は、会長の愛人だろう。やめてよかったと思うよ」と言っていました。
いや、先に言ってよ・・・
社長は、私の後釜の店長を採用済で、
「パートで働くか」
と聞いてくれましたが、
私は自分なりの考えがあったので、断りました。
「飲み会あったら呼ぶから」と言われましたが、結局一回も呼ばれていない気がします。
いや、呼ばれて参加していないだけかな?
覚えていないです。
どっちにしても、ほどなく次の職場に就職した私は、住む地域も変えることになったので、飲み会に誘われても参加はできなかったでしょう。
離婚して子どもがいるのに、数か月のうちに職場2か所を辞めることとなった私でした。
当時を60代になった今から振り返ると、
どっちも、
辞めるべき職場
でした。
若い人に相談されたら、 どっちもやめて正解、と断言するでしょう。
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