ここで少し、私は考えました。
落ち着かなくては。
離婚のときにパートで貯めた100万ぐらいの現金を用意していて、アパートを借りるときに少し使って。その後数か月働いて、少し貯金の金額を戻していました。 4-5か月は次の仕事を探すことができる状況でした。
店舗勤務はやめたいな、と漠然と思いました。
ただ、事務職につく自信もありませんでした。
結婚前は大手企業で開発職をしていました。
でも、結婚して、さっさと辞めてしまっていました。
あの働き方がいいな、と思っても、そんな就職先はなかなか無い、と承知していました。
ところが偶然、新聞の求人欄に、あったんです。
私が求めている仕事が。
大手企業で、全国にいくつも支店・営業所があって、 私の暮らしていた県内の別の町に新規営業所を出すから、 そのスタートアップメンバーを募集している、ということでした。 仕事は事務職。
私の持っている資格が活かせるものでした。
早速応募し、やはり、20代の強さでしょうか、採用となりました。
採用に至ったもう一つの理由としては、ライバルの意外な少なさだったかもしれません。
田舎町の営業所の開設なので、応募してきた人も多くなかったようです。
田舎町の求人は、東京の求人とは違います。
仕事のためにその田舎町に引っ越したいと思う人が少ない。
ということは、近隣に住んでいる人を探したいわけです。
であれば、田舎町で配られている情報誌に広告を出すとか、
極端に言えば、張り紙で募集しても効果がある場合があります。
逆に、大手新聞の求人広告は、自分の家の近くで仕事をしたいその町の人は見なかったりします。そういうところに近所の求人はないと思っているからです。
その会社は全国区の大手企業で、原則新卒で採用した人を育てて全国に配置していたので、地方でのスポット求人の経験が少なかったから、大手新聞での募集記事ということになったのではないかと思います。
「引っ越しになるけれど、大丈夫か」と面接で、何度か質問されました。
「問題ないです」ときっぱりと、言いました。
前の二つの職場の経験がなかったら、
実家から車で1時間以上かかる、名前しか知らない町への引っ越しは、
小さい子供を抱えた私としては、本来選択肢にのぼるものではなかったかもしれません。
けれど、さすがにそろそろ落ち着いた仕事につかないとまずい、
と強く思っていたので、
引っ越しも含め、「何がなんでも落ち着ける仕事場を見つける」と覚悟を決めていました。
背に腹は代えられない、状況でした。
さあ、離婚後の、新しいフェーズの始まりです。
その会社に入って、引っ越しをして、私はやっと落ち着きました。
営業所の近くにちょうどいい保育園があり、営業所と保育園、そして借りたアパートの間を徒歩でも行き来できる位置関係でした。
田舎町では、普段の移動に車を使い、職場で駐車場も用意されていることが多いです。保育園への行き来、帰り道に寄るスーパー、全てを車でできることは本当に助かります。
東京のオフィスで、出勤しなくてはならない働くママたちの日常は、多くの場合、まったく違います。
基本的には電車・バスを使った移動ですから、朝から自分の、多分多くの場合パソコンの入った重い、通勤バックを肩にかけ、子供の荷物を抱え、さらに、子供を抱えます。子供は二人であることもあり、荷物が倍であることもあります。通勤スーツが寄れても、直す余裕もありません。必死で保育園に子供と子供の荷物を降ろし、自分の洋服やメイク、乱れた髪型のチェックをする暇もなく、朝からぐったり疲れてラッシュの電車にのります。
当時は、そんな都会で働くママたちのことは想像もしていなかったのですが、相対的にはわからなくても、絶対的に職場・自宅・保育園の位置関係と車通勤は快適でした。
全国区の大手企業ですから、福利厚生や評価システム、パソコンの整備状況など、全てが納得できるものでした。
これは個人の価値観とか、慣れ、の問題かもしれませんが、新卒で入った会社と類似した部分については、納得感が大きかったというか、違和感を感じることがなく、ストレスがありませんでした。
残業もほとんどありません。
強制されることのない、年に何回かの本社あるいはイベント場所への出張も、よい刺激になりました。
社会復帰したような感覚をその会社で味合わせていただいたと思います。
この、基本条件が整っていて、子育てママにも快適な環境の中に入り、私は、その後長く、落ち着いて幸せに暮らしましたとさ。めでたし、めでたし、、、、
と、ならないのが私です。
確かに離婚直後のバタバタは乗り越え、その会社では2年以上働きました。でも、人生の課題、自分の課題はつきないのです。
数行上で、「社会復帰したような感覚」と書いていますよね。
その言葉が適切なものかわかりませんが、当時の私の気持ちを記憶をたどってそのまま表現したものです。
私はその前も、2か所の職場で働いていました。
その時は、意識は多分、結婚していた時の私の延長で、子供を育てるためにお金が必要で、稼ぐママの私、みたいな。そんなものでした。無理に言葉にするならは。
でも、その会社に入って、
「社会で働く自分」
に、初めて、意識が及んだんです。
それは、多分、新卒で働いた会社と類似の環境に身をおくことになって、結婚前の自分を思い出したということなのかもしれません。または、同年代の男性の多い職場に入り、それまで比較的女性や年上男性ばかりだって職場とは違う部分が、刺激されたのかもしれません。
次回: 再婚したかったシングルマザー。「生活できれば良い」から、「人並みの給与がほしい」と、気持ちが変化していきました
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