30代未経験転職後の突然の昇格・昇給。一度に250万の昇給って本当にあるの?

転職を重ねた60代シングルマザーのキャリアノート。 生涯続くキャリアの始まり

前回の記事の最後で、
M課長が唐突に、
ものすごく私の給料を上げてくれた
という話をしました。

年収500万から、一気に750万になりました。

まず、一回で250万の昇給って、本当?
そんなこと、あり得るの?
と、多くの方が思うのでしょうか。
それとも、思わないのでしょうか。

答えは、

あります。

60代の現役管理職の私が断言します。

ドラマとかで、
すごく気風の良いオーナー社長がいて、
「来月からお前の月給、60万にしてやる!」
と、若者に告げる。
気持ちの良いシーンですが、
これは、そういう話ではありません。

合併前は世界規模で5000人ほどの社員のいた会社の、そして、合併後は5万人の従業員を抱えた会社の、ちゃんとした人事システムに則った昇給です。

M課長が申請して、
部長が承認して、
人事がルールから外れていないことを確認して、
財務がM課長の部門の予算枠から外れていないことを確認して、
承認されます。

このルートで整えば、大概のことができます。
事の大きさによっては、部長の更に上の人の承認が必要になることもありますが、
多分、私の昇格・昇進程度の話ですと、部長ぐらいで事が処理されていたと思います。

私の視点から見ると、
未経験で入社して、2年も経っていないのに、
一気に250万の昇給って、

びっくり! となります。

でも、

会社側から見れば、
その部門にM課長以外にもう一人マネージャーが追加されてもいいのか、
という検討と、
予算は出せるのか、
という検討の結果の冷静な業務判断がされただけのことなのです。

私から見たら、
「私なんかが係長飛び越して、いきなり担当課長とかになっていいんですか?」
と思うのですが、
会社から見たら、
部門長ではない担当課長がいてもいなくても、
大きな問題になることは、経験的にありません。
部門長が、部門運営において、部下を担当マネージャーにする、と言えば、
それに反対する可能性が一番高いのは、
M課長の提案を受けて承認しなくてはならない、
直属の上司の部長ぐらいのものです。
M課長の自部門の構成の変更計画に対して、上司の部長が同意すれば、
あとは、
予算はどうか、
というシンプルな話になります。

予算というのは、簡単には2点で考慮されます。
一つは、
会社の利益などから計算して
その部門に追加の人件費を与えても大丈夫か、
という点です。
これは、簡単に言うと、
お金が足りるのかどうか
という話です。
会社の売上げと利益の期待値から出てくるもので、
どんなに部門が重要な仕事をしていても、
どんなに人数が足りなくてメンバーが毎日残業をしていても、
「原資がなければ出せない」という結論もある世界です。
ということは、
儲かっていれば、比較的緩い判断がされることも多いのです。

二つ目は、
対象となる社員の属する社員等級に対するサラリーレンジに、
変更後のサラリーが入っているか、という点です。
人事システムそのものですね。

この二つがクリアであれば、部門の要求に対して「会社」がNoを言うことはほとんどなく、
社員の昇給が大きくても、小さくても、承認されます。

さて、一般論の話から、私の私に戻したいと思います。

そもそも、私がM課長にぶちぶちと文句を言ったのは、給与の額についてです。
昇格したいなどと、夢にも考えたことがありません。
そういうことは、自分に関係ないものと思っていた、
というより、
頭の中にその考えのかけらも存在していなかったので、
自分に関係あるとも関係ないとも、思ってもいませんでした。

私の文句を受け、
ありがたいことに、M課長が
「昇給させてやろう」
と思ってくれたのは事実だと思います。
では、いくら?どういう理由で? となります。

当時の私はM課長と一緒に仕事をしており、残業もそれなりの時間になっていました。
直近数カ月の残業代の実績から、通年の想定合計金額を出すと、
確か700万までは行っていなかったと思いますが、
600万円台半ばぐらいになっていたかと記憶しています。
給与を上げてやろうとしたら、年間想定で残業代を入れて、年収660万あたりが計算のスタートになります。
各等級のサラリーレンジを想像すると、
平社員で660万が出せないということはなかったと思います。
しかし、平社員のままですと、昇給後も残業代が出ます。
年俸を660万に上げて、さらにこれまで通りの時間残業をされてしまうと、支払金額は、870万とかになってしまいます。
それはあまりに高いと思われたと推測できます。
それに、それが残業代である以上、
870万で収まる保証もありません。

では、いっそ、管理職にしてしまえ、と会社は考えます。

管理職にしてしまうと、上司であるM課長も楽です。
売り上げが計画ほど伸びなかったとき、
本社からコスト削減の指令が出ることがよくあります。
その時に、残業代について人事や財務から抑えられると、
M課長としては私に自由気ままに仕事を頼めなくなってしまって、
彼が一番嫌いな「面倒なこと」になります。

管理職になると、これまで以上に残業をしても、残業代が一切出なくなります。
なので、660万に100万上乗せして、切の良い数字で750万にして、
昇格・昇給、一気にしてやったぞ、という感じ。

まあ、そんなに特別な話ではないのです。

残業代を予見可能な数字として固定するため、
本人が望んでいなくても管理職に昇格させて、
文句が出ないよう、
残業代より少し上乗せした数字を提示して納得してもらう、
というやり方は、
その後、私自身が管理職として経験を積む中で、
人事からレクチャーされ、
何度も実践した手法です。

でも、当時の私は、本当に何も知りません。

年収750万などという夢のような数字に大喜びをしました。
実際は、660万で部下無しマネージャーにしてやる、と言われても、同様に喜んでいたのではないかと思います。
東京に来る前、全国区の企業の地方営業所にいたときに比較した
同年代の仲間たちより高い年収です。
「人並みになりたい」と願っていた自分が、
「人並み」になれた気がしました。
660万でも、やっぱり「人並み」と感じて、喜んでいたと思います。
残業ありの660万と、保証された660万は気分が大分、違いますから。

そのレベルの認識だったんですよ。ほんとうに・・・

さて、
大きな昇給については、部長の承認が必須です。
私は昇格・昇給を受けた時、部長にもお礼を言いに行きました。

部長とは、数か月前に私の給与について会話をしたことがありました。
確か、喫煙所での立ち話だったと思います。
「年収500万とか、少ないんですけど」と部長に言ったとき、
「交渉しないからだよ」と部長はカラカラと笑ったんです。
「入社時に交渉していたら、もっと上の数字も出してたと思うよ。情報弱者だったってことだよ」とからかわれました。
別に、そうからかわれても、それが事実だと思ったので、腹はたちませんでした。
そして、
ほどなくM課長と部長で大幅昇給をしてくれたのですから、
感謝しかありません。
私が頭を下げてお礼を言うと、
部長は、満面の笑顔で「ますますがんばれ」と言いました。

何年か後に、部長から「あの時、俺がマネージャーにしてやった」と言われたことがありました。

感謝はしていたけれど、仮にM課長の提案に部長が最初反対したとしても、たとえ渋々だったとしても、最終的に合意していれば、「俺がしてやった」と言いそうな部長ですから、真偽は永遠に不明です。(やれやれ)

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【 DonMaMa  の プロフィール 】

20代で離婚し、シングルマザーとして二人の子どもを育てながら働いてきました。

転職、起業、再就職。失敗だらけで、自己嫌悪とも長く付き合ってきました。
それでも働き続ける中で、キャリアも収入も少しずつ伸ばすことができ、子ども二人を奨学金や教育ローンに頼ることなく大学卒業まで送り出すことができました。
世界の人たちと仕事で関わる経験にも恵まれ、物の見方は大きく広がりました。

このブログでは、60代になった今だから見える、仕事、人生、無視できないお金について綴っています。

当時の失敗や遠回りを振り返りながら、今の視点で分析もしています。
あの頃の私に、こういうことを教えてあげたかったな。
あの頃、聞けていれば、私の人生、もう少し楽だったかな。
そんな思いで書いています。

あなたの人生を考えるときの、小さな参考になればうれしいです。

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