転職したら適応力が必要。ゴール設定の仕方に違和感を覚えたこと

転職を重ねた60代シングルマザーのキャリアノート。 生涯続くキャリアの始まり

会社の目標設定の仕組みが理解できず、人事に相談したら上司に叱られた

会社って、業務目標を決めさせますよね。
私が転職した二つ目の外資系企業でも、もちろんそうでした。

入社してしばらくたった頃、その時期が来て、
「目標設定して、ドラフトを上司に提出しなさい」
と言われました。

そこで、私は困ってしまいました。
会社の目標がわからない。
部門の目標も知らない。
自分たちのチームが何を求められて、
そしてその中で私は何をすればよいのか、
それがわからなかったのです。

まず、私は直属の上司に聞きました。
無視はされませんでした。
笑顔で、やさしく、
「自分で考えればいいよ」
と言われました。

それだけでした。

どうしていいかわかりませんでした。
そこで私は人事に相談しました。
「会社の望む方向、部門のミッションなど、かけらでもいいので教えてください」
その人事担当者は、
部門担当のビジネスパートナー人事だったから、
今年の目標がまだ固まっていないとしても、
何かヒントをとれないか、と思いました。
ついでに、
この会社の考え方とか、
どう行動することがよいのか、
について知りたいと思っていました。

すると私より2-3歳年上なだけなのにいつもレクチャー調の人事の男性は、
会議室の椅子に斜めに座って足を組み、
髪をいじりながら笑顔で、
「自分で目標を立てる力を養うために、ボトムアップで目標設定をすればいいんだよ」
と説明してくれました。
それだけです。
レクチャー調の人ですけれど、
本当に欲しいレクチャーをくれたことはなかった、
と記憶しています。(苦笑)

私は混乱から抜け出せませんでした。
納得もできず、ストレスだけを抱えて人事との会話を終えました。

そして、私の相談はすぐに上司へ共有され、
私は軽く叱られました。

上司が特段厳しい人ではなかったので、軽く叱られた程度ですが、
人事には、正直、不信感を抱きました。

今の私だったら?
報告した人事の行動は普通で、
軽くとは言え、怒った上司がだめですね。(笑)
30代の私、まだまだ「もの知らず」です。

会社の業務目標設定ってやつにはいろんな形がある

さて、経験のある方には釈迦に説法です。
10行ほど、飛ばしてください。

多くの会社では、会社全体の方向性や短期・中期目標が示されます。
CEOから各部門へ共有され、それを受けて各部門が目標を設定し、各メンバーが個人目標を決めて上司と合意します。
それは言うならば、会社と従業員の約束です。
これだけの成果を期待します。
その対価として、報酬や評価を返します。
もちろん実際には曖昧な部分もあります。
目標未達でも見守られることがありますし、目標を達成しても昇給や賞与が期待どおりにならないこともあります。
会社と従業員のその時のパワーバランスが影響することもあります。

それでも、あくまで原則としては、
「利益獲得に貢献します」
「報酬や雇用継続で還元します」
という約束があります。

私が働いた最初の外資系企業では、
毎年の目標もありましたし、
予算もM課長が管理していました。
その目標の内容はかなりざっくりしたものでしたが、
ありました。
私の個人の目標はありませんでしたが、
それは、M課長が期待する全てのことを全力でする、
という形で私に共有されていました。
M課長と一緒に働けるようになってからは、
理不尽を感じたことはありませんでした。
M課長がいなくなった後は、
私の在籍期間が長くなかったので、
新たな目標を設定するまでもありませんでした。
でも確かに、私は目標設定のシステムを見、
それを承知していました。

2つめの外資系企業、私はそれをゴールド株式会社と呼ぼうと思います。
とにかく、お金のある会社でしたから。
入社時の説明会でも、「いかにお金のある会社か」という説明を受けました。
社員のみなさん、安心してください、
ここで働いていていいんですよ、
というメッセージと受け取って嬉しく思いました。
だって、会社が合併されてしまうと、世界が崩壊してしまうので。(苦笑)

ゴールド社は、雰囲気全体として、
私にとって戸惑いの多い環境でしたが、
目標設定でも、私は大きく戸惑ったわけです。

それでも教えられない、部門の目標とかミッション

直属の上司は、自慢話の多い方でした。
だから、会社の歴史とか、その中でご自身がどう頑張ってきたのか、
そういうことについては、多く情報をもらいました。
無視されていたわけではないのです。
お話も結構面白かったので、聞いているのは嫌いではありませんでした。

でも、
「自分たちが何をしなくてはならないのか」については、
全く説明をくれませんでした。

人事に相談して、
結果、上司に叱られたときにも、
再度、「部門の目標とかミッションを教えてください」と言いました。
そしてまた、
自分が過去10年何をしてきたか、という話を延々とされました。

それで十分ではないか、と思われる人も多いかも知れません。
少し追加説明をすると、それでは足りなかった理由がありました。
その部署は、一年前に新設された部署だったのです。
メンバーは、部長と私と先輩二人。
だから特に、
部門のミッションなどが部長の昔話からでは理解できなかったのです。

得られる情報としては限界だな、と思ったところで、
私は自分一人で勝手な業務目標をドラフトしました。
そしてそれは、すんなりと承認されたのです。

60代のいまから当時を振り返る

60代になった、
管理職として複数の会社の仕組みや従業員の管理方法を見てきた
私が振り返ると、
ある程度当時の状況が見える気がします。

その会社に、目標設定システムがあったのは事実です。
だから、
目標設定をドラフトして上司に承認してもらいなさい、
と言われたわけです。
各部門の目標・ミッションなどもありました。
ただ、
それをどう明確に文書化していたかは、
各部門次第だったと思います。
私は、社内の仲間からいろいろ話をきくことができたので、
部門によっては、部門長から
明確な方向性や目標、成長期待値が
示されていることもあると、後に知りました。

後に知ることになった、というのは、
私だけでなく仲間たちも、
一緒に戸惑っていたことが多かったからです。
自分が困ったときには近くの仲の良い人たちに相談していましたが、
互いに「わからない」と言い合って終わることが多かったのです。
そして後に、互いが更に知った情報を共有する流れになっていたので、
他部門の状況を後に知ることが多々あったわけです。

そして、後に知ることができた情報の中には、
私自身の部門や上司に関する、
他部門からの噂も含まれていました。

私の属していた部門の部長は、
得意分野を狭くもっているタイプで、
部門管理とか、目標設定などについて、
とても苦手な方だったようです。
同じ部署に属する先輩たちには、
10年以上担ってきている業務がありましたし、
今から思えば、業務の属人化が強い組織でした。
先輩たちは新設の部署でも、
過去10年とあまり変わらない仕事をしていたのです。
経験から、今年は何が起こると予見もできていたでしょう。
彼らの業務内容とスキル、経験、顧客からの信頼には価値があり、
それを継続してくれている以上、
会社としては文句が無かったのかも知れません。

では、なぜ、彼らを新設の部署に異動させたんでしょうね。
今の私は、その答えを多分、知っています。
業務の属人化を軽減したかった「上」の思惑、
有能な彼らにもっと広い範囲の仕事をしてもらいたかった「上」の思惑。
組織マネジメントとは簡単ではありませんし、
変化を招こうとすると時間もかかります。
新入社員の私にはまず、決定的に情報が不足していましたし、
後に知ることになるその環境内での情報を全て得たとしても、
外資系企業の経験が不足していた私には、
今ほどの状況理解は、できなかったことでしょう。

混乱とストレス。しかし、学びはあった

私の勝手に作成した業務目標と、それに伴った実施事項に対して、
一年が経過して、年末、まずまずの評価をいただきました。

部門によって、人によって、
認識の違いがあることが事実としてあったとしても、
人事の人が言った「ボトムアップで」という考え方自体は、
広く組織管理の方法として、
まるごと「無いわけではない」考え方だと、
今では思います。

自分で仕事の課題を見つけて、
自分で貢献できる点を上司に主張して、
承認されて実行していく。
あの時のゴールド株式会社が
「本当にそれを求めていたのか」
わかりません。
ただ、
そういう考え方があり、
それをやらせてくれた環境には、
苦しかったけれど、恨みはありません。
成長のかけらになったと思います。

一つそれまでの自分の常識と全く違うことに触れ、
実行させてもらったことの効果は、
後に現れるのです。

それでも、
若くて経験が決定的に足りない当時の私は、
戸惑い、目隠して歩かされるようなストレスを感じるばかりでしたけれどね。
目標を達成しても、
まずまずの評価をされても、
なんだか、
「自分が勝手にやっていただけ」
みたいな中途半端な達成感でしたし。

誰かに褒めてもらいたい、
認めてもらいたい、
と思っていたのでしょうね。
その思いは、
組織で働く従業員として間違っていませんし、
管理職になると部下のそういう思いを、
よくよく汲み取ることも要求されるものです。

全てを自分で創造し結果を出す世界も、
「好きか否か」は別として、
「有り」なのだと、
思っています。
それは、会社に経済的な力があるが故の余裕だったのかも知れません。
結果として、貢献を示せれば、やりたいことをやらせてもらえる。
そんな会社だったのかも知れません。

それは、すごいことですよね。

まあ、それを従業員に理解させ、
ポジティブに対応するマインドまで持っていかれなかったのは、
結局その時のマネージメントの問題、
つまり人の問題だったのかも知れません。

現役管理職の私としては、反面教師とすべき思い出です。

次回 : 外資系企業で「同僚と給与の話をしてはいけない」と注意された理由が理解できた気がしたお話

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【 DonMaMa  の プロフィール 】

20代で離婚し、シングルマザーとして二人の子どもを育てながら働いてきました。

転職、起業、再就職。失敗だらけで、自己嫌悪とも長く付き合ってきました。
それでも働き続ける中で、キャリアも収入も少しずつ伸ばすことができ、子ども二人を奨学金や教育ローンに頼ることなく大学卒業まで送り出すことができました。
世界の人たちと仕事で関わる経験にも恵まれ、物の見方は大きく広がりました。

このブログでは、60代になった今だから見える、仕事、人生、無視できないお金について綴っています。

当時の失敗や遠回りを振り返りながら、今の視点で分析もしています。
あの頃の私に、こういうことを教えてあげたかったな。
あの頃、聞けていれば、私の人生、もう少し楽だったかな。
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